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今、なぜショートフィルムなのか? |
ショートフィルムは、 バジェットに左右されない比較的自由な制作空間として、 特に新進作家の育成には欠かせないジャンルであると言えます。実際、映画の黎明期には、新人が短編で技や感覚を試され、あるいは磨き、長編デビューしていくという流れがありました。
現在でも、小説にはそうした流れが機能しており、海外では、 国際ショートフィルム祭なども催されているよう、ショートフィルムというジャンルが、ひとつの批評空間を伴って確立しているようです。
しかし日本には現在、ショートフィルムの市場がありません。その理由は二つ。一つはそれが劇場で公開しにくいこと。つまり配給ルートにのらないこと。
もう一つは、少額投資による少額配当というサイズの小ささに、出資側が魅力を感じないこと。要は、劇場側、出資側、双方とも、ショートフィルムにはまったく魅力を感じていないというわけです。
しかし昨今の映像メディア拡大の傾向にあって、状況は次第に変化の兆しを見せ始めています。たとえばこの先、 私たちはどんな媒体で映像を見ることになるでしょうか?カーナビゲーションやゲーム専用機や携帯パソコンなど、すでにあるモニターや再生機は、今の機能を拡張し、
今後どんな映像を提供し始めるか分かりませんし、小さな液晶モニタはあらゆる場所に設置される可能性を持っています。 そうした中、とりわけ映画について言うと、一時間三十分以上、三時間までの長い作品ばかり求められる状況が、
今後永遠に続くとはちょっと考えにくいわけです。
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