現代を代表するファインアートの旗手であり、 ポップなキャラクターを生み出すデザイナーでもありと、 大活躍中のアーティスト、ロドニーさんの話を聞きにぬぁんとニューヨークまで行ってきちまったぜ!!

------ペン大王
えー、は、は、はじめましてぇ、じゃなくて、ナ、ナイストゥミーチュー。

 
------ ロドニー
ハーイ、ナイス・トゥ・ミーチュー・トゥ!

------ ペン大王
あー、えーと、やっぱ通訳さん、お願いしますぅ。

------ ロドニー
なんでも訊いてくださいね。

------ ペン大王
はい。じゃですね、どんな子供時代を過ごしてたのか、教えてください。

ロドニーさんの制作風景。
何つくってるのかな?
------ ロドニー
OK!ボクは3歳の頃から絵を描いていたくらいで、ずっと絵を描くことが好きでした。ママも絵が好きだったので、喜んでいたみたいです。パパもボクの才能を認めてくれていましたよ。それからよくアニメを見ていました。バックス・バニーやブルウィンクル、ジョニー・クエストや宇宙家族ジェットソンなんかが大好きでした。

------ ペン大王
へー、ぼくたちとあんまり変わらないみたいだなぁ。

------ ロドニー
そうですね、それに日本のTV番組も見ていました。ウルトラマンにスピードレーサー、アストロボーイ、ジャイガンダー…

------ ペン大王
えー、スピードレーサーは「マッハGoGo」、アストロボーイはいわずと知れた「鉄腕アトム」、ジャイガンダーは「鉄人28号」ですね。いや本当、懐かしい。

------ ロドニー
それから、当時ボクはカリフォルニアに住んでいたので、ディズニーランドにもよく行っていました。あとはレゴで遊んだり、クルマや戦闘機などのプラモデルを作ったりもしました。いろんなプラモデルの部品を組み合わせて、自分だけのオリジナルのプラモデルを作ったりもしました。

------ ペン大王
へー、その頃からアーティスト魂が燃えてたんですね。

------ ロドニー
鉄道模型も好きでした。自分の部屋に大きなジオラマを作って走らせたりもしていました。

------ ペン大王
なるほど。ところでロドニーさんといえば、やっぱり「パラッパラッパー」ですよね。その時の話を聞かせて欲しいんですけど。

子どもの頃から
絵を描くのが好きだった
------ ロドニー
はい。ゲームクリエーターの松浦雅也さんが音楽をベースにしたプレイステーション用のゲームを、ソニー・コンピュータエンタテインメントでつくろうとしていたのです。松浦さんはボクの絵本やCD-ROMなどの仕事を見ていて、高く評価してくれていたらしく、一緒にやらないかと声をかけてもらったんです。

------ ペン大王
どんな風にしてパラッパは生まれたんですか?

ご存じ、パラッパの完成形。
ハマった人も多いのでは…
------ ロドニー
キャラクターのイメージは松浦さんが持っていたんです。最初はこんなスケッチからスタートしました。

------ ペン大王
へー、今のパラッパよりもずいぶん感じが違うなぁ。

------ ロドニー
こんな風にラフスケッチを描きながらお互いのイメージをキャッチボールして、パラッパはできたんです。松浦さんとはもう5年もキャラクターメイキングのコラボレーションをしています。彼はキャラクターについての楽しいアイディアをたくさん持っていて、ボクにその性格にピッタリのルックスを思いつくことを期待してくれています。パラッパの時のようにスムーズにいくこともあれば、ラミーのように難しいこともありますが、いつも楽しいし、やりがいがあります。

------ ペン大王
なんか決まっている描き方とかあるんですか?

------ ロドニー
ボクのアイディア、キャラクター、絵、彫刻、イラスト、本などは全てスケッチブックの中から生まれてきました。もう12年間も9×12インチの同じスケッチブックを使っています。全てのラフがスケッチブックの中にあるんです。もう40冊以上も貯まっているんです。

------ ペン大王
へー、40冊!スゴイなぁ。そこがロドニーさんのアイディアの源泉になっているんですね。

------ ロドニー
そうですね。ボクのプライベートな思考の場所といえるでしょう。例えばクライアントや出版社用にキャラクターを考える場合、最初のアイディアの時だけスケッチブックを使います。それらのスケッチの中から「これはいける!」と思ったものをコンピューターを使って修正していくんです。クライアントや出版社にスケッチブックを見せることは絶対ありません。

------ ペン大王
キャラクターを描く時にロドニーさんが一番注意していることってなんですか?

------ ロドニー
ボク自身がニッコリしてしまうようなものを描こうと心がけています。そのキャラクターのために「世界を作ってあげたい」と思えるくらいのキャラクターじゃないと。シンプルすぎたり、複雑すぎたりしたらダメなんです。描いているボクが楽しめないようじゃ、たくさんの人を楽しませることなんてできないですからね。

------ ペン大王
なるほど、それはいえますよねぇ。では、今までに作ったキャラの中で一番お気に入りなのは何ですか?

------ ロドニー
PJベリーが一番のお気に入りですね。ボクのオリジナルのアイディアは"寝ることと食べることしか好きじゃないクマ"だったんです。そんなアイディアに、ソニー・クリエイティブプロダクトの人たちが「クラブのDJにしてみたら」って言ってくれたんです。これは面 白いって思いました。PJは夜はクールなDJで、昼は寝ているか食べているかで、他には何もしない、そんな風に思いついた時、PJに恋をしてしまったんです(笑)。彼の人生はグレートなんです。デザイン的に見ても、とてもシンプルなのに表情豊かですよね。

------ ペン大王
ははぁ、いいですね。寝てるか食べてるか、憧れちゃうなぁ。じゃ、キャラクターに名前をつけるときって、どんな風に考えていますか?

------ ロドニー
出来上がったキャラクターの隣に、なんとなくマッチしそうな言葉のリストを書いていくんです。小さな英和辞典を使って、英語の言葉も日本語の言葉も書いていきます。そのリストの中から名前を考えます。いきなりいい名前が出てくることもあります。日本語と英語の両方できる友達やクライアントに意見を聞いて、参考にしたりもしています。

------ ペン大王
性格の設定なんかはどうですか?

パラッパラッパー
初期段階でのスケッチ。
こうしてパラッパは生まれたよ。
------ ロドニー
ルックスが先にできて、性格を形づくっていくこともあるし、最初にある性格を想定して描いていくこともあります。だいたい「こんな性格のキャラクターなんだけど、どんなルックスがぴったりくるのか、考えてくれない?」というような感じで仕事がスタートするんです。毎回、そんな条件をクリアして、なおかつ、見る誰もがビックリするほどいいキャラクターを作ろうとしているけど、でも、それはとても難しいことです。

------ ペン大王
うーん、確かに難しそうですよね。じゃ、もしロドニーさんのお子さんがキャラクターデザイナーになりたいと言い出したら、止めますか?

------ ロドニー
いえ、素晴らしい仕事だと思っていますから。だっていいものができれば、見てくれるみんなをハッピーにできる仕事ですからね。きっとアドバイスを送るでしょう。

------ ペン大王
なるほど。では、このサイトに来てインタビューを読んでくれる人へのメッセージも兼ねて、そのアドバイスを聞かせてください。

------ ロドニー
まず第一に、自分だけのスタイルを作ろうってことですね。クライアントはもちろん、見てくれるすべての人にとって魅力的で、しかも他とは違うということをわかってもらえるスタイルを作り上げるには何年もかかるかもしれないけど、根気よく取り組むことです。あとはいろんな人とコラボレーションできるようになりなろうってこと。キャラクターが世の中に"ジャンプ"していくためには、いろいろな人の助けを借りなければなりませんから。そのためには誠実で、誰からも好かれるようにならないと。

------ ペン大王
うーむ、描いたものに人柄が表れるってこともあるだろうしなぁ…他には?

CD-ROM「ファンスクリーン」より
1992年

CD-ROM「ダゼロイズ」より
1994年
こんなCD-ROMも作ってる。
色づかいがPOPだね。
------ ロドニー
プロフェッショナルとしてやっていこうとするなら、スピーディであることが必要です。そして、むらなく一定のクオリティーの仕事をすることも大切です。クライアントから何度も同じことを要求されるからです。あとはイラストレーションの勉強も欠かせないですし、アニメーションを手がけるという経験をしておくと、キャラクターに生命を吹き込むのに必要なボディランゲージや動きを学ぶことができます。

------ ペン大王
おわー、たっくさんあるなぁ。だけど、実践的でとても参考になりました。サンキュー・ベリーマッチ!

------ ロドニー
ドーイタシマシテ!


「ロドニーのキャンワールド・エキスポ」の会場にて
作品と一緒にハイ、ポーズ!
笑顔がステキだったロドニーさん。 一見、とっても優しそうなんだけど "作るものには絶対に妥協しないぞー" みたいな強さが見え隠れしてました。

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