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------ペン大王
マチコ先生のモデルっているんですか?
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------えびはら
当時ね、アイドルで大場久美子さんとか、宮崎良子さんとかがいてね。
------ペン大王
はいはい。
------えびはら
具体的に誰というのはないけど、そういう人たちの、ま、合体ですかね。
------ペン大王
ははぁ。あの当時、児童向けのマンガでパンチラって、子供達にはすごい撃だったと思うんですけど、そもそもどんな風にできたまんがなんですか?
------えびはら
その頃は「金八先生」みたいな先生モノが流行っていたんですよ。だけど、女の先生はなかったんですね。それで女の先生を主人公にしようと思ったんだけど、ボク、熱血教師は描けなかったんですよ。
------ペン大王
ほほぉ。
------えびはら
それに女の先生で熱血ってのもなんだなってことで、思いっきりはずしたものにしようと思ったんです。
------ペン大王
へぇ、けっこう作戦を練って生まれたキャラだったんですね。
------えびはら
それはね、マンガ描くからには人と同じことをしてもしょうがないしね。じゃ、人がやってることの反対を行こうってことでできたんです。
------ペン大王
なるほど、教師なのにパンチラって、正反対ですもんね。
------えびはら
最初はね「マチコ先生のパンティ」っていうタイトルだったんですよ。
------ペン大王
は?
------えびはら
「マチコ先生のパンティ」(笑)
------ペン大王
…思いっきり、そのまんまですね。
------えびはら
たまたま本屋で立ち読みした雑誌の中に「ミチコさんのパンティ」とかいういかがわしい小説があってね。なんか妙にそのタイトルが気に入っちゃって、ミチコをマチコに変えてみたんだけど、ただ、それだとただいやらしいだけになっちゃうから、間に『先生』と入れることで、なんか不思議なムードになるなと思ってね、それで「マチコ先生のパンティ」という読み切り作品を描いたんです。
------ペン大王
へー。
------えびはら
それが評判が良くて、連載しようってことになったんだけど「マチコ先生のパンティ」ってタイトルで毎回連載するってのもどうかって話になって、それで『まいっちんぐ』をつけたんですよ。
------ペン大王
その『まいっちんぐ』ってのはどこからきたんですか?
------えびはら
当時「びっくりハウス」という雑誌で、流行語を作ろうみたいなコーナーがあってね、いろんな人がいろんな言葉を投稿していて、それらを好き勝手に使っていいから流行らせようっていうものだったんだけど、今風にいえば著作権フリーのコピーみたいなもんですかね。そこにあった言葉で、なんかいいなぁと思って持ってきたんです。
------ペン大王
へー、そうだったんですか。
------えびはら
もともとはカタカナだったのを、ひらがなにしたのはボクですけどね。
------ペン大王
『まいっちんぐ』を投稿した人に会ったことあるんですか?
------えびはら
ないです、どんな人かも知らない。ボクが、マンガのタイトルにして流行らせましょう、というふうに手を上げて、それから使い始めたんですけど。ちょっと会ってみたい気もするね。
------ペン大王
マチコ先生がちょっとポッチャリしてるところは好みなんですか?
------えびはら
それもあるし、ギャグマンガだから、あんまりスタイルがよくてもねぇ、他のキャラクターとのバランスが悪いでしょ。設定では中学校ということになってるけど、ボクの感覚からすると、小学校の2年か3年くらいの子たちがじゃれあっているみたいなイメージで描いてたから。
------ペン大王
あっ、そうなんですか。
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当時をふりかえりながら
語るえびはらさん |
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------えびはら
そうそう、だってねぇ、レベル低いでしょ(笑)マチコ先生も22歳の設定だけど、どうみても15〜6くらいじゃないですか。だから、パンチラとかって話題になったりしたけど、ボクの感覚だと子供が無邪気にじゃれてるって感じだったんですよね。
------ペン大王
なるほどねぇ。
------えびはら
うん、だから、お色気うんぬんを全面に出そうと思ってたわけじゃないんですよ。単純に面白くて、楽しくて、サラっと読めてストレス解消になるようなもの、そういうつもりで描いてたんです。
------ペン大王
それって、ギャグマンガの基本というか、王道ですよねぇ。
------えびはら
王道かどうかはわかんないけど、他の人がやってないこと、なおかつ自分で描きやすいように描いていったのがマチコ先生ですね。
------ペン大王
ちなみに、えびはら先生って専門学校で教えてらっしゃいますよね。
------えびはら
はいはい。
------ペン大王
そういう視点から、いいキャラクターを描くコツっていうのを伝授して欲しいんですけど。
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これが一世を風靡した
マチコ先生だ! |
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------えびはら
うーん、マンガのキャラとこういう単品のキャラクターって違うからねぇ、難しいけど、共通して言えるだろうなってのは、人がやってないことを探してやるってことだと思います。
------ペン大王
ほほぉ。
------えびはら
ボクは藤子不二雄先生の弟子だったんですけど、先生でも日頃から他の人がやってないものはないかって探してましたからね。
------ペン大王
あー、そうなんですか。
------えびはら
忍者が出てくるギャグまんがはなかった、じゃ自分が描いてやろうってことで「ハットリくん」ができたようにね。そりゃ一朝一夕に見つかるもんでもないだろうけど、でもそれを見つけようっていう姿勢があるのとないのじゃ、ふだんの生活の中でもだいぶ違うだろうし、そういうのがないといい作品、いいキャラクターってできないと思いますよ。
------ペン大王
なるほどぉ。
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------えびはら
だから、動物をモチーフにするんでも、植物をモチーフにするんでもいいけど、いままでキャラクターにされたことのない動物を見つけてくる、すご〜く単純に話すと、そういうことかな。あとはね、これは何についてもいえると思うけど、絶対にあきらめない熱意。これは大切ですよね。
今、ネット上で密かなブームを呼んでいるマチコ先生の生みの親は、とっても気さくな兄貴みたいな人でした。
えびはら武司・公認ページ
「帰って来た『まいっちんぐマチコ先生』」
URL:http://www2s.biglobe.ne.jp/~y_mihara/ebihara/
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「これで何回目だろう、
マチコ先生描いたの?」
だって! |
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