進化? そして 発展?
「その成果がこのビデオの中に入っているのか」
「そう。この中に進化したユキダルマッチョが入っているんですよ。オレは・・・あなたを越えてしまったかもしれない・・・」
「でも、オマエ何一つやってないじゃん。全部ホリ君がやったんじゃん」
「え? なに? なんか言った?」
「まぁ、いいや。とにかく見せてよ」
「吐いた唾飲まんとけよ!」
「あ、ビーバップだ」
「どうですか!?」
「なんか気持ち悪いね・・・」
「・・・」
「でもすごいね」
「でしょ!?」
「ホリ君がね」
「・・・」
「これを見て、ワタシには一つだけわかったことがあるよ」
「何か目から鱗な真実が!?」
「イヤ。ホリ君っていい人だなぁ、って。あんなハナクソみたいなギャラでここまでやってくれるなんてさ」
「オレに対しては何も言ってくれないんですね・・・」
「この気持ち悪いオカルトビデオを胸に抱いて半年もニヤニヤ半笑いだったんだろ? かける言葉すら見つからないよ」
「オ・・・オカ・・・!?」
「でも、こうしてても何も始まらないのも事実だしな。そろそろプロの目で見てもらうか」
「売り込みですか?」
「そう。今やキャラクタービジネスは約2兆円を生み出す一大産業なわけよ。その2兆円に関わってる人たちに見てもらわないことにはユキダルマッチョがどれほどの価値があるのか、わからないだろ? もしかしたらコイツはン億円を稼ぐ価値を持っているかもしれないんだからさ」
「うおぉぉぉ・・・億!!」
「イヤイヤ。例えばよ、例えば。そんなに期待するなよ。ダメだったときの反動に耐えられなくなるから。こういうのは欲が出ちゃダメなんだよ。もうちょっと謙虚に・・・」
「売り込みすんぞー!! 億いただきー!!」
「・・・人の話を聞けよ・・・」
---つづく---
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