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------ ペン大王
ズバリ、単刀直入に聞きます、キャラを作るコツは?
------ 丸山
コツですかぁ、うーん・・・(考え込む) ・・・ないです。
------ ペン大王
え!あの、それじゃインタビュー終わっちゃうんですけど
------ 丸山
でもぉ、本当にないんですよ。
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------ ペン大王
うっ・・・じゃですね、あのかわいらしいQooはどう生まれたんですか?
------ 丸山
えー、あれはですね、仕事で、低果汁飲料のネーミングから広告までの全部を頼まれた仕事だったんです。ちょうど「だんご3兄弟」が流行っていた頃で、得意先の担当の方が「今はキャラクターだよ」とおっしゃっていたんです。最初は商品のネーミングを考えるところからスタートしたんですけど、それをキャラクターにしたらおもしろいよねってことになったんですよ。
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©The Coca-Cola Campany |
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毎度おなじみの「Qoo」です |
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------ ペン大王
はぁ、じゃ本当に“ビジネス”という感じだったんですね。
------ 丸山
そーなんですよ、それで、プランナーやコピーライターの人たちと一緒
に、あんな感じこんな感じって話し合って、それでこういうシートを描いたんです。
------ ペン大王
このシートに至るまでの下描きとか、メモとかを見せてください。
------ 丸山
ないです。
------ ペン大王
はぁ?ないんですか?
------ 丸山
えぇ、ないんですよ。 私、下描きとかしないんですよ、下描きとかってキンチョーしちゃうんです。
------ ペン大王
キンチョーって・・・じゃ、いきなりこれを描いたんですか?
------ 丸山
そうそう、描く道具も決まっていてね、会社にあるフツーのコピー用紙と、フツーのマジックペンとで、なぁんとなく描いてくんです。
それは他のキャラクターも一緒ですよ。
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マイペースで、自然体な丸山さん |
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日本コカ・コーラ(株)
低果汁飲料「Qoo」 |
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------ ペン大王
はぁ、下書きもなしで、いきなりこれですか・・・
------ 丸山
そうそう、こんな感じかなーって、描いたのがこれなんです。
------ ペン大王
なんとあっけない・・・
------ 丸山
あっけないですよねぇ。でも、周りの人の評判も良かったし、得意先の人の評判も良くて、採用されたんです。だから、最初はこんなにいろんな人にかわいがってもらえるキャラクターになるとは、全然思ってなくて、あれあれって感じですね。最近いろんな人から「このキャラは大事にした方がいいよ」とか言われるようになって、ちょっと見方が変わってきました。これで、セールスの方も伸びてもらえばなと思います。
------ ペン大王
じゃーですね、Qooの場合、いきなりこのカタチを思いついたんですか。
------ 丸山
うーん、思いついたというより、こんな感じかなって・・・
------ ペン大王
頭がとんがってるところがチャームポイントだと思うんですけど、これはどうしてこーなったんですか?
------ 丸山
うーん・・・(考えている)・・・人にもよく「これはツノ、それとも耳?」とか聞かれるんですけどねぇ、なぁんとなくこんな感じだよなぁって描いちゃったので、私にもよくわからないんですよねぇ。
------ ペン大王
うー、下描きなしで描いたって言ってましたけど、同じように何度も描けるもんなんですか?
------ 丸山
描けますよ、一応描き順もあるんですよ。
------ ペン大王
ほー、このツノというか耳というか突起物から描くわけですか。
------ 丸山
突起物・・・
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下描きなしで描いた
「Qoo」をプレゼンした時の原画 |
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------ ペン大王
他に、描いてる時に考えたりしたことってありませんか?
------ 丸山
うーん、思わず触りたくなる感じにしようかなぁとか、ラブラドールって犬がいるじゃないですか、あんな肌触りかなぁとか・・・
------ ペン大王
えっ!Qooって毛が生えてるんですか?
------ 丸山
毛というか、たまたまその時、実家でラブラドールを飼っていたんで、その肌触ざわりにしたかったんです。
------ ペン大王
知らなかった。
------ 丸山
色もね、描いてるときになんとなく、きれいなブルーがいいかなとか思って。
------ ペン大王
じゃ、ほぼこの最初の絵のまんま世に出たんですね。
------ 丸山
姿形ということではそうですね。でも世に出るまでにはいろんな人が関わっているので、最終的にはそういう人たちの頭の中にあるQooがひとつになって、今のQooになったことになると思います。
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デスクに飾ってあった
ラブラドールの写真 |
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会社のデスク、
こんな環境で描いている |
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------ ペン大王
うーん、なるほど。じゃルミ姉についてもお聞きしたいんですけど。
------ 丸山
ルミ姉もQooと同じように広告の仕事で、年齢が近い女性のプランナーとかコピーライターとかとチームを組んで、みんなでいろいろと話し合って、ルミ姉とねずみのキャラを考えて提案したんです。「ショッピングちゅー」とか「食事ちゅー」ってことでねずみの「ちゅー太」というキャラ。
------ ペン大王
ふむふむ。
------ 丸山
ルミ姉はお店の人で、ちょっと醒めてて、クールなキャラがいいよねってみんなで話し合って決めて、それで描いたんです。あれが私のキャラ第一号なんですよ。
------ ペン大王
まず最初に性格が決まったということなんですね。
------ 丸山
そうです。ルミネっていうファッションビル全体のイメージとか、入っているお店とかをヒントにみんなで話し合ってるうちに、みんなの中でなんとなく性格ができてきて、それを絵にしたらこーなったという感じですかね。
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いじわるそう、
でもどこか憎めないルミ姉 |
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------ ペン大王
あのいじわるそうな表情がポイントだと思うんですけど
------ 丸山
そうですね、でも“狙った感じ”っていうのかな…いかにもいじわるなキャラを作ってみました、みたいな感じなのはナシだなぁと思っていて、それは他のキャラを作るときもそうで、“カワイイ狙い”とか“イジワル狙い”とかはしないっていうのが、キャラを作る時に私なりに気をつかっているところです。
------ ペン大王
では、最後にこれからキャラを描いてみようという人にアドバイスとかメッセージがあったら、お願いします。
------ 丸山
うーん、まずは描いてみることだと思います。○を描いて、その中にチョンチョンって描けば、それはそれでキャラクターだと思うんです。
だから、かまえずにとりあえず描いてみる・・・こんなところでどーですか。
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左:丸山さん
右:ペン大王
その場で描いたわりには
イケてるっしょ? |
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